小児歯科学雑誌
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上下顎第1大臼歯の異所萌出に関する臨床的研究
西條 佳乃荻野 千佳佐々木 規茂斎藤 ふく子千葉 秀樹神山 紀久男
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1990 年 28 巻 4 号 p. 1093-1103

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抄録

東北大学小児歯科にて咬合管理を行っている患者のうち,第1大臼歯の異所萌出を起こした症例24名,35カ所について,異所萌出の原因と特徴を検索する目的で,石膏模型,頭部X線規格写真,パノラマX線写真を用いて調査検討を行った.結果は,
1)上顎異所萌出歯ならびに中切歯,側切歯,全乳歯の歯冠幅径と小野,大坪の平均値との間に有意差は認められなかった.
2)上顎片側異所萌出群での歯列の大きさはIIA期ならびにIIC期共に全ての計測部位で患側と健全側の間に有意差はなかった.
3)各発育段階での上顎歯列の大きさの比較では,IIA期には前歯部周長と後方余地に,IIC期では犬歯間福片側長,片側周長,側方歯前後的距離に有意差が認められ異所萌出群が正常群より小さい値を示した.
4)IIA期からIIC期への変化量の比較では側方歯前後的距離において異所萌出群が正常群より有意に大きな減少を示し,有意差はないものの後方余地はむしろ異所萌出群が大きな増加を示した.
5)頭部X線規格写真分析から,上顎異所萌出歯の萌出角度が正常群に比べ有意に小さいことが示された.
6)パノラマX線写真より歯胚の石灰化度を変量としてクラスタ分析を行った結果,標本間の類似度が最も離れていた群は異所萌出症例で,上顎で第2大臼歯と第2小臼歯の先天欠如,及び異所萌出歯の石灰化遅延が認められた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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