小児歯科学雑誌
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アルミン酸カルシウム系根管充填材に関する研究 第1報 特に細胞毒性
木村 光孝空田 安博矢野目 鎮照秀島 治横本 満周 適宏吉居 英一富岡 健太郎
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1991 年 29 巻 1 号 p. 44-54

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抄録

水酸化カルシウムを主成分として根管内で硬化し,しかも根尖組織中で吸収性を期待できる材料としてアルミン酸カルシウム系の根管充填材を試作した.そこで,その安全性のスクリーニングとして2種類の細胞毒性試験法により評価を行い,現在市販されているカルビタール(CV),キャナルス(CA),根管充填用ネオダイン(ND)と比較した.その結果,
1.HeLa 細胞とミリポアフィルターを介して接触した場合,試作品3種はCVと同様に投与時間に関係なく中等度の細胞毒性を示したが CA, ND は経時的に毒性が増大し投与24時間後において強い細胞毒性が認められた.
2.試作品3種の L-929 細胞の増殖に対する毒性の主な因子は水酸化カルシウムによる強アルカリ性によると考えられ,その毒性度は配合した水酸化カルシウムの量に影響された.
3.試作品3種の細胞増殖に及ぼす影響は CV より小さく CA や ND では見られた培養後期での細胞増殖抑制の発現は認められなかった.
以上のことから,今回試作した根管充填材は比較対照とした市販品と同等以上の細胞親和性を示し,根管充填材として有用であると考えられた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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