小児歯科学雑誌
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小児の歯磨き能力と基本的生活習慣との関連性
鈴木 善子福田 理柳瀬 博荻田 修二河田 典夫鈴木 裕仁黒須 一夫
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1991 年 29 巻 2 号 p. 420-427

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抄録

小児の歯磨き指導は,各人の心身発達段階を考慮して行うことが重要である.そこで,小児の基本的生活習慣の自立および手指の運動機能の発達状況を調査し,歯磨き能力と関連の深い要因を検索するため,1988年11~12月の2カ月間に名古屋市とその近郊の保育所,幼稚園に通う1~6歳の園児の母親を対象に, 「園児の歯磨き習慣と基本的生活習慣」に関する質問調査を行い,以下の結果を得た.
1. 基本的生活習慣の着脱衣,排泄の習慣に関しては4歳前後で自立する傾向がみられるが,清潔,食事の習慣に関してはやや遅くなる傾向がみられた.
2. 3歳児の歯磨き能力と関連する要因は,「一人で洗髪ができる」,「一人で顔が洗える」,「一人で靴下をはくことができる」, 「箸を使って豆のような物をつまむ」の4項目であった.
3. 4歳児の歯磨き能力と関連する要因は,「一人で顔が洗える」,「スプーンと茶碗を両手に持って食べる」,「紐を結んだりほどいたりできる」の3項目であった.
4. 5・6歳児の歯磨き能力においては,基本的生活習慣との関連は認められなかった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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