本研究は味覚感受性の生後発達について明らかにする目的で特にその舌部位差について着目し,マウスを用い舌前部2/3及び後部1/3の味覚を支配する鼓索神経と舌咽神経の応答について哺乳期と成熟期で比較した.
実験動物には,C57BL/Ksj系統の雌雄マウスを使用し,哺乳期として7-10日齢で体重5-8gのもの,成熟期として8-16週齢で体重25-40gの2つのグループに分類して行った.
その結果,マウス味覚感受性の生後発達は支配神経により異なること,鼓索神経ではアミロライド感受性NaCl受容メカニズムが,舌咽神経ではうま味の相乗効果をもたらす受容メカニズムが生後発達することが示唆された.