1995 年 33 巻 5 号 p. 940-945
小児への対応における自信測定尺度がWeinsteinらにより開発されているが,この尺度の日本語版における「術者から小児への対応における自信度調査アンケート」の信頼性と妥当性について検討を行った.信頼性については,本学小児歯科に在籍する22名の歯科医師を対象に,アンケートの内的一慣性と経時的安定性の両面より検討した.内的一貫性には, Cronbachの α 係数を用い,経時的安定性には,1回目のアンケートを行った1週間後に同一アンケートを実施し,1回目と2回目の回答結果の相関係数を求めた.妥当性については,臨床経験5年以上と臨床経験2年以上5年未満および臨床経験2年未満の歯科医師群の自信度の比較検討を行った.その結果,以下のことが判明した.
1.「術者から小児への対応における自信度調査アンケート」において,内的一貫性と経時的安定性の両面より高い信頼性を得た.
2.臨床経験の多い歯科医師の方が,有意に自信度が高いことが認められた.
以上より「術者から小児への対応における自信度調査アンケート」の信頼性と妥当性が認められ,本アンケートの有用性が示された.