小児歯科学雑誌
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幼若永久歯における中心結節の予後について
中川 佳昭金本 優香武井 勉井上 友紀西原 有美大嶋 隆祖父江 鎭雄
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1996 年 34 巻 5 号 p. 1036-1043

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抄録

幼若永久歯に認められた中心結節に対し,その発現状況および接着性レジンによる破折予防処置の効果を調べた。また中心結節の破折をきたして歯内療法を施した歯については歯根の成長と根尖の閉鎖状況について調査を行った。
大阪大学歯学部附属病院小児歯科を受診し,中心結節を認めた41名の患者(男児22名,女児19名,平均年齢12歳5か月)の94歯を対象とした。
歯種別には下顎第二小臼歯が43歯(45.7%)と最も多く,約4:1で下顎に多く認めた。
1人あたりの中心結節本数は平均2.3歯で,1人あたり2歯以上の結節を認めた78歯のうち同顎左右同名歯に結節を認めたのは64歯(83.3%)であった。
模型から測定した中心結節の大きさの平均は近遠心径,頬舌径は下顎第二小臼歯が最も大きく,それぞれ2.31mm,2.04mmであった。
接着性レジンによる中心結節の破折予防処置は平均観察期間32.8か月で53歯のうち1歯にしか破折を認めなかった。
中心結節が破折し根尖未閉鎖でVitapex®にて歯内療法を施した18歯のうち11歯に根尖の閉鎖が認められ,また9歯には根尖の伸長が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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