小児歯科学雑誌
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歯科ユニットに対するビジコンアイカメラを用いた視知覚分析
-第2報 術者の眼球運動-
島田 路征城山 博下岡 正八
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1997 年 35 巻 3 号 p. 464-471

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抄録
歯科ユニット(ユニット)をテスト画像化し,ユニットをよく知らない小児患者に提示し,ビジコンアイカメラを用いてどのようにそれを見るのかを小児患者の眼球運動を測定し,科学的に分析し以下の結論を得た.
1.初回停留部位,初回停留点までの視線の走査,停留回数,停留時間より,ユニットを一体として認知するのではなく,ユニットのテーブル,ライト,チェアーが独立したものであるとして認識していた.
2.全停留点の分布より,自己の小さな身体を基準としてユニットの大きさを予測するため,それを実際より大きく認知している可能性が示唆された.
3.距離の短いサッケードで背景と歯科ユニットのテーブル,ライト,チェアーそれぞれを繰り返し走査し,長いサッケードでユニットと背景を走査していた.
4.ユニットを決まった走査路で走査する者は少なく,ランダムに走査する者が多かった.
5.日常生活の習慣から上を見る傾向にあり,小児の視野からは奥行き方向への視線が遮蔽されることが多く,情報収集に限界があることがわかった.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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