小児歯科学雑誌
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Kinetic Energyの小児歯科領域への応用
ラバーダムによる口腔軟組織保護効果について
山邊 陽出代張 野Lina M. Cardenas後藤 譲治
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1998 年 36 巻 1 号 p. 71-79

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抄録

噴射切削装置には高圧空気が用いられ,軟組織に誤って噴射すると気腫を偶発する恐れがあり,ラバーダムによる口腔軟組織の保護が必要である。そこで今回,0.15~0.30mmの4種の厚径のラバーダムシートに,噴射切削装置の噴射距離,空気圧,粒子径の条件を種々組み合わせて噴射をし,ラバーダムシートの実体顕微鏡による観察および穿孔時間を求めて,軟組織の保護効果,さらにラバーダムシートに必要な条件等を検討した結果,軟組織保護に必要なラバーダムシートの厚径や,配慮すべき噴射条件等の基礎的なデータが得られた。
1.ラバーダムシート厚径の上昇に伴い穿孔時間が延長し,厚径0.25mm以上のラバーダムシートでは穿孔するまでに20秒を超え,十分な時間を要した。
2.噴射距離とラバーダムシート穿孔時間の相関性は,空気圧やラバーダムシート厚径が穿孔時間との問に有する相関性に比べ,最も低かった(r=0.81,p<0.01)。噴射距離の増加で穿孔時間は延長し,噴射距離2mmで23.5秒,7mmでは61.1秒に及んだ。また,ラバーダムシートの傷は距離の増加で拡大する傾向が認められた。
3.空気圧は穿孔時間と最も高い相関性を示し(r=0.96,P<0.01),空気圧上昇に伴う穿孔時間の短縮を認めた。160psiでは9.8秒と著しく短い値を示し,高圧の使用には十分な注意が必要と思われた。
4.酸化アルミナ微粒子の粒子径27μmでは,50μmより穿孔時間が有意に短かった(p<0.01)。5.ラバーダムシートの穿孔形状は星形や円形がみられた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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