小児歯科学雑誌
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齲蝕活動性試験(Caries status test LB)の試作に関する研究
下野 勉岡崎 好秀中村 由貴子東 知宏宮城 淳柚木 弘子田中 浩二壼内 智郎松村 誠士
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1999 年 37 巻 4 号 p. 831-837

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抄録

乳酸桿菌の存在を評価する培地としてカリオスタットLBテストを考案し,菌種や培養時間による判定結果への影響について検討した。また4・5歳児362名についての判定結果と齲蝕指数との関係についても調査した。
1.カリオスタットLBテストに,ミュータンス連鎖球菌を接種したところ37℃,3日間の培養では色変化が起こらなかった。しかし乳酸桿菌では黄緑から黄色に変化した。
2.4・5歳児の齲蝕罹患者率は63.9%,一人平均d歯数は2.4歯,一人平均df歯数は4.1歯,平均CSIは7.9であった。
3.カリオスタットLBテストの色変化は,2日目より3日目にかけて急激に起こり,4日目以後は緩徐となった。
4.カリオスタットLBテストの判定結果と一人平均d歯数,一人平均df歯数,齲蝕重症度歯数(CSI)とは,高度の相関性が認められた(P<0.001)。
5.カリオスタットLBテストの判定結果を2群に分けたところ,3日間培養においてハイリスク群は各齲蝕指数が有意に高かった(P<0.001)。以上よりカリオスタットLBテストは,臨床応用が可能であることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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