小児歯科学雑誌
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下顎乳臼歯頬側溝展開角と窩洞外形について
関口 浩原 麻子吉田 昊哲藥師寺 仁
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2000 年 38 巻 1 号 p. 104-110

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抄録

齲蝕がなく,咬耗の殆ど認められない3歳0か月から3歳1か月未満の小児の正常乳歯列模型を使用し,下顎第一乳臼歯および第二乳臼歯の頬側溝展開角について計測した結果,以下の結論を得た。
1)頬側溝展開角の平均値は,近心中央小窩寄り1/3では,下顎第一乳臼歯で119.71゜,下顎第二乳臼歯で123.46゜であった。頬側縁寄り1/3では,下顎第一乳臼歯で125.69゜,下顎第二乳臼歯で125.67゜ であった。
2)第一乳臼歯と第二乳臼歯の頬側溝展開角は近似し,また,頬側溝展開角は中央小窩から頬側縁に向かって変化なく経過していた。
3)下顎乳臼歯における窩洞形成時の頬側溝追及の有無を調査したところ,第一乳臼歯では,頬側溝を追及した症例は48%,頬側溝が存在していたにもかかわらず,追及されていなかった症例は52%であった。一方,第二乳臼歯では全ての症例において頬側溝が追及されており,頬側溝追及の有無は展開角の大小に一因があるものと思われた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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