小児歯科学雑誌
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成人におけるSite stripおよびStrip mutans応用の試み
関 みつ子寺嶋 利子唐鎌 史行尾崎 哲則吉田 茂
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2000 年 38 巻 3 号 p. 514-520

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抄録
21歳から25歳までの成人125名を対象に,齲蝕の歯面別診査と同時に,Strip mutans(以下SM)および4か所の隣接面においてSite strip(以下SS)の試料採取を行い,口腔の全体評価としての両法の関連性および局所におけるSSの結果について検討を加え,以下の結論を得た。
1.いずれの部位でも各SSスコアの割合は0>1>2>3の順で,採取部位による差は認められなかった。
2.部位別のSSとSMのスコア間では同一口腔内でSMのほうが多くの例で高いスコアであり,SSの個人の最高スコア(以下SSの最高値)とSMスコアの間では,比較的高い一致率が得られた。また,両法の関連性は,いずれも約0.5の高い相関係数が認められた。
3.齲蝕経験との関連性については,DT,DMFT,DSおよびDMFSのいずれもSSの最高値との間のほうがSMスコアよりも相関係数はやや高かった。
4.局所における齲蝕歯面,修復歯面および健全歯面の各SSスコアの分布は,齲蝕歯面では0が最も少なかったのに対して,修復歯面および健全歯面では0が最も多く,特に齲蝕歯面は他の歯面と異なった傾向を示した。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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