小児歯科学雑誌
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学童への口腔保健活動の効果について
-18か月間の活動による意識の変化-
内藤 真理子楠崎 晴規Kazushige Ueda有住 隆史内上堀 征人木村 光孝
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キーワード: 口腔保健活動, 学童, 齲蝕
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2000 年 38 巻 4 号 p. 780-784

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抄録

生涯にわたる健康教育の一環として,18か月間の積極的な口腔保健活動を行った小学校児童708名を対象に,活動の効果について検討した。対象児童に対し,活動開始時から6か月ごとに計4回の質問票調査を実施した。4回目の調査時には,全児童の保護者を対象に児童の口腔保健行動に関する質問票調査もあわせて行った。活動前から活動終了後に至るまでの経時的な口腔内調査結果も比較検討に加え,以下の結果を得た。
1)1日の歯磨き回数を「3回以上」と回答した児童の割合は,1回目の調査時には全体の43.9%,4回目の調査時には全体の66.7%と,有意な増加が認められた(p<0.001)。
2)歯磨きをする理由として「歯磨きが習慣になった」と回答した児童の割合は,1回目の調査時には全体の2.4%,4回目の調査時には全体の46.1%と,有意な増加が認められた(p<0.001)。
3)活動期間中,児童が実際に心がけている口腔保健行動として,口腔清掃に関する回答が多く認められた。
4)保護者からみた児童の行動の変化として,「歯の治療に行くようになった」と指摘する回答が多く認められた。
5)各学年において,活動開始時と比較して,活動開始12か月後あるいは活動終了6か月後に1人平均未処置歯数の減少が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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