2002 年 40 巻 1 号 p. 114-118
乳歯列期小児における習慣性咀嚼側について,その存在と,成長発達による変化を明らかにするために,Hellmanの歯年齢IIA期幼児(3歳4か月~5歳11か月)46名(男児19名女児27名)を対象とし,小児用下顎運動測定装置を使用して,咀嚼ゼリーを咀嚼させた時の前頭面での下顎運動を記録し,習慣性咀嚼側について検討したところ,以下のような所見を得た。
1.習慣性咀嚼側の側性は右70.4%左29.6%で,習慣性咀嚼側が右の幼児が多かった。
2.習慣性咀嚼側の成長発達による変化では,3歳児ではその側性が不明瞭な者が多かったが4歳児,5歳児になるに従って次第に明瞭になり,5歳児後半ではかなり明瞭になることが判明した。