小児歯科学雑誌
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齲蝕処置が齲蝕活動性試験(CAT21テスト)の判定結果に与える影響について
岡崎 好秀平野 慶子東 知宏山本 誠二紀 瑩松村 誠士下野 勉金子 末子中村 弘之
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2002 年 40 巻 1 号 p. 77-83

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抄録

1歳から5歳の乳歯列期の小児71名を対象として,齲蝕処置前後に齲蝕活動性試験Cariostat検査(CAT21テスト)を行い,齲蝕処置が判定結果におよぼす影響について調査した。
1.処置前の1人平均d歯数は6.13,平均df歯数は7.68,CSIは18.4であり,処置後は,1人平均d歯数0,平均df歯数7.68,CSI9.73であった。
2.処置前のCAT値は,25以上が最も多く35.2%,2.0が32.4%であった。また0.5以下はいなかった。
3.処置後のCAT値は,1.0が29.6%で最も多く,次に1.5が26.8%であり,0.5以下は9.8%に増加した。
4.処置前のCAT値が2.5以上の小児では,処置後88%のCAT値が低下し,2.0の小児では60.9%が低下した。
5,処置前のCAT値とすべての齲蝕指数との間には,高度の相関関係が認められた(P<0.001)。しかし処置後では,相関関係がみられなかった。以上の結果,齲蝕処置によりCAT値が低下した小児が多くみられた。また処置後も定期健診を行うことにより,齲蝕活動性を低い状態に保つことが,二次齲蝕や新生齲蝕を予防すると考えられた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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