小児歯科学雑誌
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外傷による乳歯歯根破折歯の臨床経過について
宮新 美智世江橋 美穂久保田 知穂松村 木綿子片野 尚子高木 裕三
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2002 年 40 巻 5 号 p. 803-809

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抄録

外傷により水平歯根破折した上顎乳中切歯11歯について長期経過観察を行った。患児は9名で,その初診時年齢は1歳から5歳の範囲であった。初診時の動揺度は高かったが,埋入や転位など位置変位を伴った10歯でも,整復後43~88日間の固定と感染予防を行うことにより保存が可能であった。また,陳旧性で根尖部の破折を持ち,動揺のなかった1歯は固定なしでも保存できた。多くの症例に歯髄腔狭窄や,根尖側破折片の吸収・消失がみられ,動揺は持続したが,それらの破折部には,結合組織による治癒が観察された。
長期的には歯根吸収や動揺充進,歯髄壊死などの変化が発現したことから,乳歯歯根破折症例では定期診査と管理の継続が望まれる。なお,これまでに後継永久歯と交換した9歯は脱落時期に異常なく,後継永久歯歯冠の異常も白斑が1歯に見られたのみであった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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