小児歯科学雑誌
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摂取する食品の“硬さ”が乳歯列期小児の咀嚼筋筋活動に及ぼす影響
城所 寛子
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2002 年 40 巻 5 号 p. 810-824

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抄録

摂取する食品の“硬さ”の変化に対し乳歯列期小児の咀嚼行動がどのような影響を受けるかを調べるために,鶴見大学歯学部附属病院に来院したHellmanの咬合発育段階IIA stageの小児で個性正常咬合を有する計37名を被験児とし,“硬さ”の異なるゼラチン試料を咀嚼させ筋電図学的な解析を行ったところ,以下の知見を得た。
1.全ての被験児において,咀嚼開始から10ストローク(Early stage)および嚥下直前の10ストローク(Late stage)での右側の側頭筋前部(RT)ならびに咬筋(RM)の筋活動の大きさを10%グミと20%グミ咀嚼時で比較したところ有意な差は認められなかった。
2.II A stageにおける咀嚼時の主働的な筋であるRTについて,10%および20%グミ咀嚼時のEarly stageでの筋活動の大きさを各被験児毎に分析したところ,10%グミ咀嚼時に比べて20%グミ咀嚼時が大きな筋活動を示した被験児(増大群)は37名中26名,逆に小さな筋活動を示した被験児(減少群)は37名中11名に認められた。
3.増大群では,Early stageのRT筋活動の増大とともに,咀嚼回数および咀嚼時間を増して“硬さ”の増大に対応しているのに対し,減少群ではRT筋活動が減少することから,“硬さ”の増大においては咀嚼回数および咀嚼時間を増して対応している可能性の高いことが示唆された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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