小児歯科学雑誌
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本学小児歯科外来における初診患者の実態調査
佐藤 麻美畑 弘子船山 ひろみ高橋 温真柳 秀昭
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2003 年 41 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

1996年4月から1999年3月までの3年間に東北大学歯学部附属病院に来院し,小児歯科の咬合管理ルートにのった患者503名を対象に,主訴,全身疾患,口腔内所見,初診から治療終了までの齲蝕処置内容,予防処置について調査を行った.
1. 1996年から1999年の3年間の初診患者数は,1980年代に比べわずかに減少したが1,2歳児の来院が増加した.
2. 主訴の内訳は,齲蝕治療が43%と最も多く,次いで口腔管理31%であった.
3. 全身疾患を有する患者は,全体の45%で,過去に比べてその割合は増加している.唇顎口蓋裂の患者が最も多く,全体の16%であった.
4. 初診時の年齢別1人平均df歯数は,過去に比べて,全年齢層で減少した.
5. 乳歯・永久歯ともレジン修復が歯冠修復処置の主体であった.また,永久歯では,予防填塞処置歯数が歯冠修復処置歯数を上まわっていた.
6. フッ化物溶液塗布の実施率は約3割,家庭でのフッ化物応用の割合は約2割で,どちらも1,2歳児で多く行われていた.
7. 当科の診療で,有病児を主体とした低年齢からの齲蝕予防管理の占める割合が増大してきている.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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