小児歯科学雑誌
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本学歯学部附属病院小児歯科における最近5年間の初診患者の実態調査
1.初診時について
菊地 友絵八若 保孝中尾 加代子弘中 祥司加我 正行小口 春久
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2003 年 41 巻 1 号 p. 271-277

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抄録

北海道大学歯学部附属病院小児歯科の地域に果たす役割を把握するため,当科を受診した最近5年間(平成8~12年度)の初診患者の初診時の状態について実態調査を行い,以下の結論を得た.
1.初診患者数は5年間で増加傾向を示した.しかし,5年間ののべ患者数に大きな変化はみられなかった.
2.初診時年齢は平均6歳8か月であり,各年度の平均年齢の範囲は6歳2か月から7歳5か月であった.
3.居住地に関しては,各年度において札幌市内が全体の約77%を占めており,その他は北海道全域から患者が来院していた.
4.紹介患者は初診患者の約40%を占め,そのうち医科からの紹介は初診患者の約15%であった.この傾向は各年度ともほぼ一定であった.
5.精神・神経的疾患ならびに器質的疾患を有する患者の割合は,各年度とも初診患者の約25%を占めていた.
6.主訴については,各年度とも齲蝕が最も多かったが,全体として若干減少傾向を示した.次いで歯列・咬合が多く,これらには増加傾向が認められた.
以上のことから,当科が一次医療のみならず,高次医療機関としての役割を担っていることが示され,北海道における当科の果たす役割が極めて重要であることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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