抄録
小児における歯科恐怖および不安について,多くの疫学調査がなされているが,その評価方法と基準は多岐にわたり,各調査集団間での比較を困難にしている。そこで本研究では,諸外国との比較を可能にすべく,国際的に認知度が高く,他国語版ですでに有用性が確証され,小児用の歯歯科恐怖調査に用いられているDental Subscale of Children's Fear Survey Schedule(CFSS-DS)を用い,小児における歯科恐怖の実態を調査し,特性不安との関連性および歯科受診行動に対する影響について分析,検討し,以下の結論を得た。
1.日本語版CFSS-DSは,高い信頼性と妥当性を示した。
2.本研究対象者の約20%が歯科に対する恐怖心を有していた。また,男児よりも女児の方が歯科に対する恐怖度が有意に高く,歯科恐怖者の占める割合も有意に高かった。
3.歯科受診未経験者は受診経験者よりも歯科に対する恐怖度が高い傾向にあった。
4.歯科に対する恐怖度が高い者は,特性不安も有意に高いことが示された。
5.歯科恐怖度に関して,日本はアジア,米国より低かったが,北欧諸国よりは高かった。