小児歯科学雑誌
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乳児期における摂食機能発達に関する検討
-摂食機能と発達年齢との関連について-
大河内 昌子向井 美惠
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2003 年 41 巻 5 号 p. 869-879

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抄録

摂食機能の発達を行動発達と関連させて,より広範な発達評価の構築を目的に,離乳期の乳児を対象に摂食動作と行動観察による発達検査の結果との関連性について検討したところ以下の結果を得た。
1.「改定・離乳の基本」の離乳期の区分と摂食機能評価との関連から,生活年齢(以下C.A.)と摂食機能評価との間の差は,離乳中期~ 後期に相当する児が他の離乳期と比べ多くみられた。また,発達年齢(以下D.A.)と離乳時期との関連では,離乳の後半でD.A.が離乳区分の生後月数より高い児が多くみられた。
2.摂食機能発達を基に分類した離乳時期とC.A.および発達検査の領域別D.A.との関連から,離乳各期ともC.A.よりD.A.の方が大きい傾向にあり,食事領域以外のD.A.は,食事領域のD.A.に比べて有意差は認められないものの全ての領域で大きかった。
3.各摂食機能評価項目におけるC.A.とD.A.との関連を検討したところ,C .A.とD.A.は各離乳期の多くの項目に強い関連性が認められたが,離乳中期までの口角の牽引と舌の動きを評価基準とした項目においてC.A.とD.A.との関連性が弱い傾向にあった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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