小児歯科学雑誌
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東京都心に位置する歯科大学病院小児歯科における障害者診療の実態
金子 かおり坪倉 亜希子辻野 啓一郎望月 清志大多和 由美藥師寺 仁
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2004 年 42 巻 3 号 p. 397-403

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抄録

都心の大学病院における障害者歯科診療の現状を把握する目的で,東京歯科大学水道橋病院小児歯科に2000年4月から2003年6月までに来院した障害者185名,延べ来院障害者1,213名を対象に,障害の種類,年齢,来院経緯,処置内容および対応法に関する実態調査を行った。
調査期問中の来院患者延べ総数に占める割合は6.0%であった。
障害別にみると,言語・咀嚼機能障害が最も多く40.6%で,次いで中枢神経・筋障害は28.1%,情緒障害13.0%,その他18.3%であった。年齢別延べ患者の割合は,6~11歳が52.4%,0~5歳が206%,12~18歳が19.9%,19歳以上が7,1%であった。
来院経緯は,院内他科からの紹介が最も多く43.2%,次いで開業歯科医院21.1%,他大学口腔外科9.7%,障害者施設8.7%,その他17.3%であった。
処置内容は,保存処置が最も多く50.8%で,次いで予防処置27.1%,外科処置14.9%,咬合誘導処置6.0%,検査および資料採得1.2%であった。
障害別対応法は,中枢神経・筋障害では通常に歯科治療を行えた者が66.4%,抑制下が29.5%,金身麻酔下の治療が4.1%であった。情緒障害では,抑制下の治療が52.3%,通常治療が40.6%,全身麻酔下が7.1%,言語・咀嚼機能障害では,通常治療がほとんどであった。その他の障害では,通常治療が855%,抑制下が13.3%,鎮静が0.8%,全身麻酔下が0.4%であった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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