小児歯科学雑誌
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小児の歯の外傷の特徴について
本学附属病院小児歯科と中国某大学口腔医学院児童口腔科との比較について
園本 美惠白數 慎也石川 春美嘉藤 幹夫大東 道治王 小競邢 向輝楊 富生
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キーワード: 歯の外傷, 中国, 日本, 統計調査
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2005 年 43 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

中国と日本における小児の歯の外傷について相違を知るため,今回は2003年11月-2004年8月に大阪歯科大学附属病院小児歯科(以下大歯大と略す)に歯の外傷を主訴に来院した患児(43名,89歯)および中国西安市第四軍医大学口腔医学院児童口腔科(以下四軍大と略す)に歯の外傷を主訴に来院した患児(68名,101歯)について調査し,分析を行った.
1.年齢分布は両者とも1-2歳と8-9歳にピークがみられた.大歯大では男女ともに1-2歳の低年齢児の割合が多く,四軍大では男女とも8-10歳が多かった.また,男女比は大歯大1.87:1,四軍大1.92:1で,両者とも男児の方が多かった.
2.受傷場所は,大歯大では屋内が多く,四軍大では屋外が多くみられた.
3.受傷原因は,両者とも転倒が最も多かった.
4.受傷曜日は,大歯大では日曜日が最も多く,月曜日と土曜日が最も少なかった.四軍大では火曜日が最も多く,月曜日と水曜日が最も少なかった.
5.受傷日から1週間以内に来院した症例は両者とも70%を超えていた.
6.受傷部位は両者とも,乳歯,永久歯ともに上顎前歯部が最も多かった.
7.受傷分類は,乳歯では,両者ともにClass C3が最も多くみられたが,四軍大では,Class A2も比較的多くみられた.永久歯では,大歯大ではClass5が最も多かったのに対して,四軍大ではClass1が最も多くみられた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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