小児歯科学雑誌
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小学校におけるフッ化物洗口の齲蝕予防効果
今上 隆子今上 茂樹西野 瑞穗木元 富士枝須藤 真奈美原田 桂子有田 憲司
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2005 年 43 巻 5 号 p. 619-623

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抄録

昭和62年度以降平成16年度まで香川県小豆郡某小学校に在籍した1年生~6年生,延べ5,650名を対象に,フッ化物洗口に対して了承を得たものに対し,1週間に1回給食後の歯みがき後,フッ化物洗口を実施し,年度別6年生DMF歯数を調査した.その結果,12歳児DMF歯数はフッ化物洗口開始後3年(平成2年)には全国平均のDMF歯数を下回り,その後さらに減少を続け,開始後10年(平成9年)にはDMF歯数は,0.75歯となり全国平均値3.34歯より著しく低い値を示したことが明らかになった.平成12年度にはDMF歯数0.21となり,健康日本21の目標値1を達成した.本研究から,小学校におけるフッ化物洗口を成功させるためには,フッ化物洗口の実施とともに,学校歯科医による集団に対する歯科保健指導や個々にあった歯みがき指導などの口腔保健教育が必要であることも明らかになった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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