小児歯科学雑誌
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太陽電池を付与した棒状半導体TiO2S. mutansに対する光触媒効果
石井 敏美松村 誠士西村 美智子Omar Rodis平川 貴之保富 貞宏下野 勉和田 精久
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2006 年 44 巻 5 号 p. 709-712

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抄録

酸化チタン(TiO2)は化学的に安定した性質と光触媒という特徴的な機能を有している。歯科領域において酸化チタンを用いた新たな齲蝕予防方法や口腔清掃用具への実用展開が期待される。その基礎研究として,これまでに著者らは,棒状半導体TiO2を用いてS. mutansに対するTiO2光触媒効果について検討を行い,S. mutansに対する酸産成抑制および抗菌効果が認められたことについて報告した。今回棒状半導体TiO2を用いてS. mutansに対する付着抑制効果について検討を行った。
1.電極を付与しなかった群のS. mutansのアパタイトペレットへの付着を100%付着率とした時のTiO2電極群および太陽電池を付与したTiO2電極群の付着率は各々65.6%,26.6%であった。棒状半導体TiO2光触媒反応による付着抑制効果が認められた。
2,TiO2電極群と太陽電池付きTiO2電極群では太陽電池付きTiO2電極群の方が付着抑制効果は大きく,太陽電池付与によるTiO2光触媒反応の増強効果が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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