小児歯科学雑誌
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異性同胞および母親に現れた部分性無歯症について
蔵本 銘子鈴木 淳司大谷 聡子角本 法子香西 克之
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2007 年 45 巻 1 号 p. 125-133

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抄録

異性同胞(兄,妹)とその母親に出現した部分性無歯症の3症例を経験し,次のような結論を得た.
症例1(女児8歳3か月)は_??__??__??_,_??__??__??_,症例2(男児,9歳7か月)は_??__??__??_,症例3(母,32歳11か月)は_??__??__??_の先天性欠如が認められた.症例1は乳歯が自然脱落し,後続永久歯を多数欠如しているため,咀嚼機能および審美的機能を改善すべく,部分的床義歯を装着した.また,上顎骨劣成長および歯槽堤の萎縮による反対咬合を呈していた.症例2も症例1と同様多数歯の先天性欠如を有するが,乳歯が残存しているために経過観察中である.これらの部分性無歯症は,臨床所見から外胚葉異形成症が原因であると考えられた.さらに家族歴からは,遺伝様式は外胚葉異形成症に一般的な伴性劣性遺伝ではなく,常染色体劣性遺伝が強く示唆された.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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