小児歯科学雑誌
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Sturge-Weber症候群を有する患児の歯科治療経験
大道 士郎中江 寿美宮本 順美旭 吉直
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2008 年 46 巻 5 号 p. 617-621

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抄録

Sturge-Weber症候群を有する12歳男児の歯科治療を経験した.患児は整形外科手術目的で入院中であった.顔面と口腔内の一部が血管腫によって覆われており知的障害を有していた.齲蝕が多数歯に認められ入院中に全ての齲蝕歯を治療する計画が立てられた.先ず,ブラッシング指導から始めて行動調整を約2か月に渡って進めたが,時間的制約などの事情ため3回の全身麻酔下の治療によって齲蝕の治療を完了した.1回目の全身麻酔の後にパニック状態になり自傷行為を行い,額を傷つけたが大出血には至らなかった.その他には問題は発生しなかった.本症候群を有する患児に関しては血管腫,知的障害,てんかんなどさまざまな問題をはらんでいるので,普段から保護者,歯科医師,歯科衛生士,小児科医師が連絡を取り合い,できるだけ観血的処置にいたらないように持続的な口腔衛生管理を行う必要があると考えられた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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