主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 131_3
本研究の目的は、アスリートが引退後のキャリア形成に向けてのどのような体験をしているのかについて、個性記述的なモデルを提示し、検討することにある。本研究の対象となったアスリート(女性:年齢不詳)は、国内トップ級の競技実績を有するものの、競技成績の不振から競技引退に直面してく中で、自身の引退後のキャリア形成について困惑していた。そこでのリサーチクエスチョンは、「アスリートは自身のキャリアをどのように語るのか」と設定した。そのような中、1対1形式の半構造化インタビューが、10ヶ月間に10数回実施された。各セッションは1~2時間程度で、予め承諾を得た上で、会話の内容をICレコーダーに収録した。その後、その音声を逐語化し、インタビュー資料と位置づけることとした。次に、このインタビュー資料についてM-GTA(修正版グラウンデッドセオリーアプローチ)を用いて分析を行った結果、14カテゴリーを生成するに至った。このように、本研究は構造構成主義(西條、2008)の立場から質的な分析を行い、アスリートのキャリア形成に伴う心理変容プロセス(仮)を構築し、発展継承可能な仮説的知見を導き出すことを目指している。