日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(05) バイオメカニクス
05バ−25−ポ−29 投球動作が野球投手の深層筋の筋厚に及ぼす影響
*長谷川 伸船津 京太郎
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p. 184_3

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抄録

 投球動作を繰り返すことにより野球投手の身体には筋量の非対称性が見られることが報告されている。近年では関節安定性や腹腔内圧を高める目的で身体深部に位置する深層筋のトレーニングが重視されるようになってきた。しかし、深層筋の筋量の非対称性に関する知見は少ない。本研究では野球投手の身体における深層筋の筋厚の非対称性について明らかにすることを目的とした。被験者は大学生野球投手20名とした。筋厚測定には超音波診断装置を用い、Bモード法による撮像を行った。測定対象は前腕部の浅指屈筋、深指屈筋、上腕部の上腕筋、肩部の棘上筋、棘下筋、胸背部の小胸筋、菱形筋、腹部の腹横筋、腰部の腰方形筋、大腰筋、臀部の中殿筋、大腿部の中間広筋、下腿部のヒラメ筋の13筋とした。非投球側との比較において、野球投手の投球側では浅指屈筋、深指屈筋、上腕筋、小胸筋が有意に高い値が示され、大腰筋では有意に低い値が示された(p<0.05)。これらの結果より、上肢や肩甲帯の筋では深層筋においても投球側の筋厚に優位性が示されることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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