日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(09) 体育方法
09方−26−ポ−10 ACTN3およびACE遺伝子多型と柔道選手の体力
*射手矢 岬
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p. 260_1

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抄録

 最近、スポーツ遺伝子に関する研究が行われ、競技種目やパフォーマンスとの関係がしばしば報告されている。そこで本研究はACTN3およびACE遺伝子多型と柔道選手のパワーの持久性の関係を明らかにすることが目的であった。対象は大学柔道選手27名(男子11名、女子16名)であった。被験者の口腔内から綿棒を用いて口腔粘膜を採取した後、ACTN3(RR型、RX型、XX型)とACE(DD型、ID型、II型)遺伝子多型の解析を業者に依頼した。体力についてはパワーの持久性に焦点を当て、ウィンゲートテストにおける最大パワーと30秒後のパワーの低下率、50mシャトルランのスピード低下率などを測定した。それぞれの測定値を遺伝子多型間で比較するため一元配置分散分析を行った。その結果、ACTN3およびACE遺伝子多型は柔道選手のパワーの持久性と関係がみられなかった。これについては柔道の練習による後天的なトレーニング効果が影響していると推察されるが、さらに被験者数を増やし、新たな体力パラメーターを加えて研究を続けることが大切である。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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