主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 275_3
シューターおよび指導者によるスリーポイントシュートの評価とボール軌跡の関係を調査することを目的とした。競技歴10年以上の大学女子バスケットボール選手6名が対象として参加し、ゴール正面からスリーポイントシュート10本を試技として行った。対象者(シューター)とそのシュート動作を観察する指導者1名がそれぞれ、各シュート直後にその優劣を5段階評価した。各試技のボール軌跡は側方からビデオ撮影され、二次元DLT法によりその座標を得た。ボール軌跡を放物線近似した係数・リリース時の位置・最高到達点・水平速度・鉛直速度等の指標を算出した。ゴール成否によるボール軌跡の平均値の差は観察されなかった。シュート失敗が偏ったボール軌跡によるものではないことが確認された。鉛直方向ボール変位は指導者による評価との間に有意な正の相関があり(r=0.35、p<.05)、初期鉛直速度にも同様の関係が見られた(r=0.35、p<.05)。一方で、シューターによる評価とボール軌跡の間に有意な相関は観察されなかった。シューターが認識困難な技術評価をボール軌跡から客観的に行うことができる可能性が示唆された。