日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第68回(2017)
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一般研究発表(04) 運動生理学
04生−09−ポ−18(18) 下腿部のコンプレッションウェアが中等度の走運動に及ぼす効果
循環および主観的運動強度、血中乳酸濃度に着目して
*森谷 直樹永野 順子
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p. 139_1

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抄録

【目的】下腿部を覆うスポーツ用コンプレッションウェアを着用し走運動を行うことで、循環および代謝に及ぼす効果を明らかにする。【方法】被検者は成人女性7名であった。ウェア着用時(最大周径囲平均着圧25.63hPa)と非着用時とでそれぞれ安静5分、トレッドミルにて3.5km/h、4.0km/h、4.5km/h、5.0km/hの速度で走運動各3分間、3.5km/hで歩行運動5分、回復5分を行った。心拍数、酸素摂取量、主観的運動強度、血中乳酸濃度を測定し、酸素脈を算出した(有意差水準5%)。【結果と考察】酸素摂取量は着用により変化はなかったが、心拍数(4.5km/hで有意)と主観的運動強度は着用時に低下した。酸素脈は着用により全体的に増加した(3.5km/h、4.0km/hで有意)。これらのことからウェア着用により筋ポンプ作用が促進され、静脈還流量が増加したことが示唆された。血中乳酸濃度は着用により減少し(3.5km/h、4.0km/h、5.0km/hで有意)、乳酸閾値の上昇が示唆された。【結論】心拍数や主観的運動強度の低下は走運動に有利であり、乳酸閾値の上昇は乳酸発生の抑制効果を示すことから、下腿部のコンプレッションウェアは中等度の走運動に有効であることが示された。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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