主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 144_2
ヒトは両脚跳躍で片脚跳躍の2倍に到達できない。この要因は両脚跳躍中により生じる下肢伸展筋群の力発揮低減であると考えられている。他方で我々は、片脚跳躍と両脚跳躍の間にある3次元的な相違も大きな要因であると仮説を立てた。本研究では、反動無し垂直跳を対象にこの仮説の定量的な検討を行った。14名の男子に反動無し垂直跳を両脚と片脚で行わせた。得られたデータから、身体各セグメントの回転によって生成された全身の位置エネルギーの成分を算出した。その結果、踏切脚の足・下腿・大腿、骨盤の回転由来の位置エネルギーが、両脚跳躍と比べて片脚跳躍で有意に大きかった。これら両脚-片脚間の差異のうち、骨盤の回転由来で生じた差異が最大であった。この骨盤の回転由来の差異は片脚跳躍でのみ遊脚側の骨盤が挙上するという前額面上の回転が生じたことに起因していた。従って、ヒトが両脚跳躍で片脚跳躍の2倍に到達できない現象の大きな要因の一つに骨盤挙上・下制運動があることが明らかになった。このことは、ヒトは片脚跳躍において、下肢の矢状面上の動作だけではなく前額面上の骨盤の動作を巧みに用いて高く跳ぶメカニズムを有していることを示している。