日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第68回(2017)
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一般研究発表(09) 体育方法
09方−10−口−14 Wilbur L. Rossを読み解く
*民内 利昭坂田 洋満廣橋 義敬
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p. 212_2

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抄録

 現在、日本のハードル競技は、短距離走競技に比較して世界で戦っているとは言い難い。小野(1957)は「日本人の身長が、欧米人に比べて10cm低く身体の重心が5cm~6cm低いとすると(中略)高障害では丁度ギリギリのところでの差であるので日本人にとって非常に辛い種目になる」と述べている。しかし近年、身長180cm以上の日本人ハードル選手を多く見かけるようになっている。佐々木(1974)は「少なくともわが国のハードル競技における技術的な立ちおくれは、多くの他の種目より大きいひとつであるといわざるを得ない。(中略)とりわけハードル種目に関しては。いままで多くの指導者が欧米へ派遣されていながら、『一体なにを見てきたのだろうか?』と(自分を含めて)その不勉強さにぐちも出てくるのである。」と述べている。現在、日本で行なわれているハードル基本運動は、真のハードル技術を習得できるものなのであろうか。1980年代に演者が偶然目にし、今も大きな影響を受けているハードル競技に関する記事が存在する。近年、その著者Wilbur L. Rossの著書を読む機会に恵まれた。演者が驚愕したその内容を基に、日本のハードル競技の弱い原因について、検討を加え発表する。

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