日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(09) 体育方法
09方−09−ポ−34(84) 全国高校野球選手権大会において無死1塁場面で用いられた攻撃戦術の分析
*木野村 嘉則波戸 謙太
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p. 232_1

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抄録

 本研究の目的は高校野球における無死1塁場面にて用いられた攻撃戦術を分析し、高校野球における攻撃戦術の特徴を明らかにし、トレーニングへの示唆を得ることであった。分析対象は第98回全国高校野球選手権大会の全48試合から抽出された無死1塁場面292件とした。その結果、無死1塁で用いられる作戦は送りバントの割合が44.9%と最も高かった。この際、この出現率は及川ほか(2011)で分析されたプロ野球のものと比較して約2倍の出現率であり、高校野球では送りバントが無死1塁で第一に考えられる作戦であることが明らかとなった。しかし、他の攻撃戦術と比較して得点できる確率が高いわけでも、得点数が多くなるわけでもなかった。このことは、着実に得点するための戦術として送りバントが機能していないことを示す可能性がある。プロ野球では同様のケースにてヒッティングの得点期待値が高くなることから、育成年代である高校野球ではヒッティングの攻撃戦術についてより練習時間を割き、ヒッティングの能力を高め、試合においても送りバントよりもヒッティングのケースを増やしていく取り組みが必要となる可能性が示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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