主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 234_3
マット運動における前方倒立回転跳びは、指導について様々な研究が行われているが、キネマティクスデータを検討したものが多く、力学的データを検討した研究は少ない。そこで本研究は、熟練者と未熟練者それぞれの前方倒立回転跳びのキネマティクスデータと床反力データを検討し、指導に活かせる基礎資料を得ることを目的とした。被験者は全8名とし、熟練者は大学体操競技部員4名(競技歴12年)であり、未熟練者は恐怖心なく安全に一人で前方倒立回転跳びを実施できるが着地で尻もちをついてしまうレベルの男性4名であった。動作の測定には光学式3次元モーションキャプチャシステム(Mac3D,Motion Analysis社製)を用いた。計測した身体各部32点の位置座標から身体合成重心点を算出した。またフォースプレート(FP6090-15,Bertec社製)を用いて着手時の床反力を測定した。熟練者は接地時間が有意に短く、進行方向と鉛直方向の最大床反力が有意に大きかった(p<0.05)。しかし、鉛直方向床反力の力積には大きな差異がみられなかったことから、着手時に短時間で強い床反力を発生させていると考えられる。このことから、着手技術の「突き」を捉えることができた。