主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 235_1
マット運動の「倒立」には、数多くの練習方法が存在していながら、それでも技術指導は難しく学修者および指導者を苦悩させる技の一つである。(小島,2016)。たとえば昨今、「器械運動指導法研究プロジェクト」(体操競技・器械運動学会,2015)が発表され、様々な技の段階的な練習方法が紹介されており、「倒立」の項目では体操経験者の観点で「倒立」を分析し、その後の練習方法や技術的なポイントが詳細にまとめてある。しかしながら、このような段階的な練習方法を用いるには、指導者が技のできばえを明確に評価し、その評価に基づいて次の段階に進めるよう判断をする能力が求められる。また、前掲書では技術的なポイントの記述はされているものの、技のできばえの評価に関する記述に乏しい。さらに、技の評価には技の構造を熟知することは必須であるが、体操経験のない指導者には見極めが困難となる。そこで本稿は、より多くの指導者が評価しやすい「倒立」の指標を構築し、この指標を活用した段階的な練習方法とともに提案することにした。