日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(11) 体育科教育学
11教−09−口−18 小学校の水泳学習における平泳ぎを習得させる指導のあり方
系統立てた指導と教材教具の工夫を通して
*山本 諭
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p. 259_3

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抄録

 小学校の水泳学習において習得が困難とされる平泳ぎの指導に着目した。水泳系領域の系統図を整理し、系統性を重視した指導内容を明確にした。感覚運動系の水泳は、様々な感覚の習得に時間がかかる。低学年から十分な水慣れや水遊び、浮く感覚や沈む感覚等を身に付ける必要がある。そこで、全校で取り組める水慣れやどの泳法にもつながるドリルを作成し、児童全員に平泳ぎのもととなる動きづくりや課題に応じた練習機会を保障した。一斉指導だけでなく少人数での教え合い活動も取り入れたことによって、技能が向上したり、動きの理解が深まったりすることが明らかになった。クロールと平泳ぎの泳力調査を実施した結果、クロールよりも平泳ぎの方が長く泳げる児童が半数近くいたことからも、クロールの後に平泳ぎといった順序で指導するのではなく、技能習得に関係なく単元前半では一斉指導から始め、その後、教え合いを主軸に課題解決学習へ移行する単元構成は、平泳ぎ習得に有効なのではないかと推察される。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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