日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(11) 体育科教育学
11教−09−口−29 同一教師による体育科と専門教科間の教師信念変容過程の比較
小学校第5学年「陸上運動」と「国土の自然」を事例として
*濱地 優梅澤 秋久
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p. 263_2

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抄録

 教師のもつ信念は、教師の認知や行動を規定し子どもの学びにも影響を与える(吉崎1997,秋田2008)。本研究では、信念を「望ましいあり方についての価値意識」と定義し、朝倉(2016)の信念分類を参考にしながら、小学校体育授業と専門教科(社会科)での信念変容過程を比較検討することを目的とした。教師信念変容の分析には、①インタビュー調査と②教師行動分析を用いた。①のインタビュー調査では、体育科を専門教科とする筆者が授業リフレクションにメンターとして関わった。また、信念変容と関わりのある子どもの学びの様子を分析・検討するため、(ア)エピソード記述、(イ)児童による授業評価、(ウ)有能感調査分析を実施した。

 その結果、体育授業では、不明瞭な楽しさを有していた「教材観」から、他者からの働きかけによる楽しさへと「教材観」の変容が考察された。また、「教材観」「学級経営観」と関連させながら、仲間との関わりをより重視した「指導観」への変容が体育授業、社会授業共に認められた。今後の課題として、同一教師の縦断的調査、観察者の関与方法や教職経験年数による違いの分析・検討が挙げられる。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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