主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 275_1
本研究の目的は、有効な実践的指導力の修得に関して、事例考察を深めることである。具体的には、教員養成課程における小学校教科「体育」の授業実践(3回)を通して、ダンス観や指導意欲に変容はみられたか、体得できる指導技術とそうでない指導技術とはどのようなものか、授業内容が指導意欲にどのように関連しているのかについて考察した。分析対象数は、質問紙調査からデータに欠損のなかった授業前123名、授業後148名である。その結果、①ダンス(表現運動)に対する意識及び指導意欲は授業前よりも授業後の方が有意に高まった。②印象に残った授業内容は、「新聞紙」などの表現領域の典型教材が高い評価を得た。③体得した指導技術についての自己評価は、「リズムに乗って動くことができた」と「自分で動いてみせることができた」が上位にあがり、この2つが指導意欲に関連していると考察された。しかし、指導技術の明らかな定着や、指導における「難しい」という意識の払拭については課題が残った。