日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−10−口−12 クロスカントリースキー選手の競技パフォーマンスを規定する感性情報の特徴
ダイアゴナル走法の滑走感覚を対象として
*井川 純一水落 文夫鈴木 典
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p. 93_3

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抄録

 クロスカントリースキーの競技コースは、選手の技術的、戦術的、および体力的な能力を試すように設定されている。選手は、長時間滑走の効率性を追求して、常に変化する競技情況にあわせた滑走技術の適正な選択と調整を繰り返す。その実現には、内外の環境から直接役立つ情報をピックアップする鋭敏な「複数の情報を統合し、無自覚的に、瞬時に状況に合った判断を行う能力」(三浦,2006,2010)としての感性が求められる。

 本研究の目的は、選手が「滑走感覚」としてパフォーマンス調整に用いるプロセスを、感性情報処理として捉え、その精度や特徴、および競技レベルとの関係を検討した。そのため、まずは選手が重要視している滑走感覚を面接法により調査した。そして、語りの内容から感性情報に対応する滑走動作の映像解析項目を選定し、感性の精度と競技レベルの関係を検討するための滑走感覚評価実験を行った。結果として、競技成績の上位選手と下位選手を比較すると、上位選手は、スピード感覚という感性要素に対して滑走速度だけでなく、ストライド変化も保証しており、感性の鋭敏さと多義性が認められた。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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