主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第69回大会
開催地: 徳島大学常三島キャンパス/あわぎんホール
開催日: 2018/08/24 - 2018/08/26
p. 138_2
長距離走では足部に繰り返し加わる支持期中の荷重に対し、内側縦アーチが変形し緩衝している。長距離走中のアーチの変形にともなう障害リスク因子を早期に発見できれば、障害予防に繋がり得る。そこでランニング習慣のある男性にトレッドミルシステム上にて10kmの長距離走を行わせた。その際、靴を加工し、足部にマーカーを直接貼付することで足部内側縦アーチの形状変化を計測した。足部に直接貼付したマーカーを基に、仮想的な足底面を定義した。舟状骨から足底面に下ろした垂線の長さを算出し、舟状骨高を算出した。第一中足骨頭から踵骨内側までの長さで舟状骨高を除しアーチ高率を算出した。結果として0km、5km、10kmの各地点でのアーチ高率の最小値(最小アーチ高率)の変化と関連するのは、最小アーチ高率になる時点の身体重心に対する足部の左右方向距離、下腿左右傾角度、前足部左右傾角度であった。最小アーチ高率が次第に増大した被験者では、左足部が身体重心より右方にあり、下腿が左傾していた。足部より近位部のセグメントの姿容が最小アーチ高率時点の身体重心に対する足部の左右方向距離に関与すると考え、走行フォームによる要因を検討した。