日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第70回(2019)
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03 体育心理学
03心-12-ポ-25 心理的競技能力の違いによる自己理解の特徴
大学女子ソフトテニス部を対象として
*堀 彩夏高井 秀明岩崎 宏次篠原 秀典
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p. 132_3

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抄録

 自己理解とは「個人が自己や自己に関連している環境を客観的・現実的に正確に認知するとともに、その情緒的側面をも受容すること」(内山,1974)であり、メンタルトレーニングでは自己理解を促すアプローチが重要視されている。本研究ではDIPCA.3を用い、アスリートの心理的競技能力の違いによる自己理解の特徴について検討した。分析対象者は、心理セミナーに参加したA大学女子ソフトテニス部21名の中でDIPCA.3の総合得点が平均の1SD以上の3名(高得点群)、1SD以下の3名(低得点群)とした。なお、心理セミナーの参加者には、自己確証モデル(Ishiyama,1989)を参考にした自己理解のワークを実施させた。ここでは、自身が大切にしていることを4つのカテゴリー(もの・場所・活動・対人関係)に分類させ、より大切にしていることをA3のワークシートの中心に位置させた。その結果、高得点群(平均18.0個,6.1±2.4㎝)は低得点群(平均13.7個,7.7±4.0㎝)よりも大切にしていることを中心に配置する傾向にあり、その数も多い傾向を示した。心理的競技能力の高い者は、自己を取り巻く環境を広く認知し、より重要なことを選別し、活用しているものと考えられる。

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© 2019 一般社団法人 日本体育学会
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