主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
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ランニングなどの走動作では、支持期中に足部に繰り返し加わる荷重により、トラス構造をもつ内側縦アーチが変形し接地衝撃を緩衝している。過度に低いアーチや高いアーチは障害との関連性が指摘されている。長距離走中のアーチ変形にともなう走行フォーム毎の障害リスク因子を早期発見することは、障害予防に繋がり得る。そこでランニング習慣のある男性18名にトレッドミルシステム上にて10kmの長距離走を行わせた。その際、靴を加工し、足部にマーカーを直接貼付することで足部内側縦アーチの形状変化を計測した。結果として長距離走中のアーチ高率が最小になる(MAHR)タイミングで、足関節が最大背屈位を呈していた。0km地点、5km地点、10km地点を比較して、従来は減少すると思われていたMAHRの変化が極めて小さかった被験者が8名いた。MAHRの変化が小さい被験者は、長距離走中に走行フォームを変えることでMAHRの維持に繋がった可能性が考えられる。MAHRの変化が小さかったランニングフォームの下肢の動作と障害との関連性を検討した。