日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第70回(2019)
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05 バイオメカニクス
05バ-12-ポ-24 競走はスプリントパフォーマンスを向上させる?
加速区間・最高速度区間の比較
*塚本 弘樹欠畑 岳彼末 一之
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p. 182_1

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抄録

 陸上競技の短距離種目は、他選手と競走する状況で実施される。2009年の世界陸上100m決勝で、ウサイン・ボルトとタイソン・ゲイのステップが無意識のうちに一致した(同調現象)ことで、お互いのパフォーマンスが増長した可能性が示唆されている。そこで本研究では単独走と競走という条件設定の違いが走速度、ピッチ、ストライドに及ぼす影響を調べることを目的とした。被験者は短距離走を専門とする大学生26人とした。被験者はクラウチングスタートから60m走を1人で走る条件(単独走)と2人で走る条件(競走)をランダムに実施した。解析は加速局面(0-30m)と最高走速度局面(30-60m)に分けて行った。最高走速度局面では、走速度およびストライドが競走において有意に大きかった (p<0.01)。一方、加速局面では、走速度が競走において有意に大きかった(p<0.05)。いずれの局面においても「競走する」ことが走速度の向上に貢献する、つまりパフォーマンスの向上に繋がる可能性が示唆された。しかし、競走によるストライドへの影響は加速局面と最高走速度局面とでは異なることが示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本体育学会
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