主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 232_3
本研究は、スポーツ庁の全国体力・運動能力、運動習慣等調査と文部科学省の全国学力・学習状況調査の結果を基に、子どもの体力と学力の関係性を明らかにすることを目的とした。対象は本人と保護者の同意を得られた小学6年生と中学3年生2417名であった。対象の全国学力テストの結果と前年度実施した体力テストの結果を分析に用いた。体力は8項目の体力合計点および総合評価(A~E)を、学力は国語と算数(数学)の基礎および応用問題の正答数から国語(基礎・応用)、算数(基礎・応用)、基礎(国語・算数)、応用(国語・算数)、学力合計の総正答数をそれぞれ算出し、分析項目とした。分析の結果、小・中学生ともに全学力項目と体力合計点間に有意な関連(p<0.01)が認められた。体力総合評価別の総正答数度数において全学力項目で有意なχ2値が認められ、残差分析の結果、体力が評価が高い子ほど低正答数の割合は有意に少なく、高正答数の割合は有意に高かった。逆に、低体力の子ほど低正答数の割合が多く、高正答数の割合は有意に低かった。つまり、運動遊びやスポーツで体力を高めた子ほど、学力レベルも高い傾向にあるという重要なエビデンスが示された。