主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 259_1
体操競技を対象とした体力学的研究は、1985年に行われた岡村らの報告を最後にほとんど行われていない。そこで本研究では、現代体操競技におけるあん馬の運動特性について心拍数の観点から検討することを目的とした。被験者はT大学体操競技部員5名とし、演技を実施させ、Polar beat心拍センサー(POLAR社)を用いて、心拍数を1Hzで測定した。Level別心拍ゾーンの時間を算出し、あん馬における成功試技と落下試技の心拍数変動を比較検討した。その結果、成功試技はLevel5のゾーンが占める割合が多く、演技全体の39.8%を占めた。失敗試技はLevel5の心拍ゾーンが少なく、演技全体の3%程度であった。体力をつけることを目的とした場合、失敗や落下する演技を繰り返すことでは不十分であると考えられる。すなわち、あん馬を成功させるために必要な体力を得るためには、十分な演技時間があり、かつ成功することができる演技をトレーニングとして実施することが必要であると考えられる。また、同様の実験を数種類のウェアラブル心拍センサー(東洋紡社製)を使用して行った結果、いくつかの衣類では同様の結果が得られた。