抄録
【目的】ペクチン含有濃厚流動食品の物性検討、ラット消化管内動態及び一般栄養評価を行った。【方法】①人工胃液と混合し、経時的な粘度変化を評価した。②胃瘻から投与後の胃内残存率と小腸進入率を評価した。③制限給餌下で、一般栄養評価を行った。【結果】①人工胃液との混合後、ペクチン含有濃厚流動食品は pH4.7以下で経時的に粘度が増加した。②当該食品は胃内でゲル化し、液体栄養食品に比べて胃内残存率が高く、小腸進入率が低かった。③体重維持に必要な熱量で栄養管理した結果、血液検査値に異常はなく、窒素出納に差は認められなかった。【結論】ペクチン含有濃厚流動食品の低 pH環境下でのゲル化が確認された。ラット胃内でもゲル化し、その消化管内動態は液体栄養食品とは異なり、半固形状食品を摂取した際の胃排出に近い挙動であると推察された。当該食品での栄養管理が可能で、濃厚流動食品として摂取可能であることが示唆された。