抄録
プラズマによる電磁波のイソコヒーレント散乱において, 散乱体の占める体積Vおよび観測時間の長さTと測定された相関スペハル密度S (k, ω) の統計精度との相互関係を考察した。その結果, a) 密度動揺の緩和時間をT0, 緩和距離をL0としたとき, 周波数と波数の張る4次元空間内の微少体積Δω0 (Δk0) 3= (2π/T0) (2π/L0) 3内に含まれるS (k, ω) の統計的に独立な標本数はT (Δω0/2π) ×V (Δk0/2π) 3程度, b) 測定器の周波数分解能をΔωs, 波数分解能をΔksとしたとき, 微少体積Δωs (Δks) 3内に含まれる見かけ上の標本数はT (Δωs/2π) ×V (Δks/2π) 3程度になることを示した。従って, c) 経済的かつ精度のよい実験を行うためにはT≫ T0およびV≫L03としΔωs≈Δω0およびΔks≈Δk0に選ぶことが望ましい。