体力科学
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皮脂分泌の動態に関する研究 (その1)
坂木 佳寿美
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1974 年 23 巻 4 号 p. 117-124

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抄録

基本的な皮脂分泌の状態を知るために6実験を行なったが, つぎのような結果を得た。
1) 分泌量の個体差は著しい。
2) 皮脂分泌には“生体リズム”がある。
(1) 1日を午前, 午後, 就寝時と余暇の3区分にすると毎日午後の採取で最多量の分泌があった。
(2) 1年では全体量として5月と10月に急減少という“特異現象”を生じた。
(3) 脂質のトリグリセライドと遊離脂肪酸の比率で, 6月と8月に遊離脂肪酸の増大があった。
3) 思春期の男女は分泌機能が良く, 特に男子の方が盛んである。
4) 運動量が多い時は分泌量も多い。
5) 肥満型の分泌は, 普通時少なく運動をすると増大する。ヤセ型はこの逆であり, 普通時の分泌機能が活発で脂肪沈着の少ない原因と思われる。
6) 静的筋労作により皮脂量は2倍近く増加した。
7) 精神的労作による分泌はコンスタントに, かなりの量が認められ, 活発に分泌が行なわれていると推測される。
以上の実験から, 人為的に分泌を促進させることは可能であり, 肥満者の体重調節にもこれが応用できると考えられた。

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