体力科学
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タウリンの運動時代謝に及ぼす影響 (III) 中年男女の3km走の場合
小野 三嗣渡辺 雅之長尾 憲樹田中 弘之原 英喜外山 寛西牧 正行湊 久美子文谷 知明松山 隆一野坂 和則中村 恵子七類 誠
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1983 年 32 巻 3 号 p. 97-104

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抄録
30歳代の男子16名, 女子9名を被検者とし, 低糖高蛋高脂食傾向下で3km走を行わせた時, その生体機能に及ぼすタウリン投与の影響を二重盲検法で検査し, 概ね次のような成績を得た。
1) M群はP群より3km走時の脈圧増大度が高く, 心拍数の増加度が少なかった。
2) 運動前から運動翌朝までのCK-MB増加度はM群よりP群の方が高かった。
3) CK-MB/CK比の運動負荷翌朝値はM群の方がP群より小さかった。
4) 運動前から運動翌朝までの血清蛋白濃度の減少度はP群の方がM群より大きかった。
5) 運動前から運動翌朝までの血液中トリグリセライドの減少度はM群の方がP群より大きかった。
6) 総脂肪酸量に対する不飽和脂肪酸比の3km走終了60分後の値はM群よりP群の方が大きかった。
7) GOT, GPT, LDHならびに血糖, 血中乳酸に対しては, タウリン投与の影響が認められなかった。
8) 血液中のタウリン濃度はその他の全測定時点ではM群の方がP群より明らかに大きかったが, 3km走終了1日後の時点では両群間に全く差が認められなかった。
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© 日本体力医学会
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